理想と現実!田舎暮らしのデメリット

近年注目を集めている「田舎暮らし」。

テレビや雑誌で取り上げられる機会も多く、「ロハス(LOHAS)」(環境と健康を重視する生活スタイル)などの言葉の流行が表す通り、ゆとりのない現代社会の中で、平穏に見える「田舎暮らし」は再注目されています。

都市部から一大決心して田舎に引っ越し、都会での仕事も生活も捨てて第二の人生を歩もうとする若者たちも増加中。

都会に暮らす人の中には、田舎での穏やかな生活に、漠然とした憧れを抱く人が多いのではないでしょうか?

近年は、実際に田舎で暮らし始めた人たちが、ブログやSNSを通じてその良さを積極的に発信するようにもなり、以前に増して田舎暮らしの「魅力」は世の中に配信されています。

では実際のところ、田舎暮らしは本当に幸せなのでしょうか?

確かに都市部の生活に比べて、住居費などの生活費は比較的安くなり、自然に囲まれたロケーションが都会で疲れた人の心を癒してくれるかもしれません。

「スローライフ」などと言われるように、時間に追われ、満員電車など何かと窮屈な思いが多い都会生活に比べ、田舎での生活はゆとりがあり「時間がゆっくりと流れる」ように感じられるものなのかもしれません。

ただそのようなイメージだけで田舎での生活に強い憧れを持ってしまうのはちょっと尚早。実際に暮らしてみると、田舎暮らしには田舎ならではのデメリットもたくさんあります。

今回はそんなデメリットをご紹介しながら、田舎での生活の理想と現実についてお話しします。

photo/Bruno

田舎暮らしのデメリット

車の維持費がかかる

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photo/Mike Boening Photography

田舎はほとんどの場合、完全な車社会。電車やバスがあっても極端に本数が少なかったり、終電・終バスが早かったりと、あまり使い勝手が良くありません。

車は「一家に一台」ではなく、「一人一台」が基本。若者でも働き始める歳になれば、みんな自分の車を持っています。

そこで当然かかってくるのが、車の維持費。

車の購入費用だけなら何とか工面がついても、その後のガソリン代、車検代、任意保険料、タイヤ交換などのメンテナンス費が家計に重くのしかかります。

特に車検代やタイヤ購入費などは一回の支払額も多くそれなりの出費に。

車の維持費は田舎暮らしをする上で必ずかかる、金銭的なデメリットです。

太りやすい

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photo/Tony Alter

意外かもしれませんが、都会暮らしに比べて、田舎暮らしの方が断然太りやすいです。

その理由は単純で、「車社会」だから。

都会に住んでいると、通勤や通学などは電車やバスが基本ですので、乗り継ぎや駅までの道など意識せずともそれなりの距離を歩いているものです。

都心の大きなターミナル駅などでは、乗り換えるのに駅構内を10分以上も歩かなければならないこともあります。

それに比べ、田舎暮らしは職場への通勤や買い物などはほとんどが車。都会から田舎へ引っ越すと、歩く機会が激減することが多いです。

成人男女の1日の歩数を調べた統計がありますが、ランキングにすると下位はマイカー普及率の高い県がズラリ。

近くのちょっとした用事でも車を使うことが多くなり、例えばスーパーの駐車場ではなるべく建物の近くの駐車区画を選ぶようになります。

運動料が少ないわけですから、自ら運動を心がけなければ、当然肥満になる可能性も高くなります。

気軽にお酒を飲みにくい

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photo/Alan Levine

これも「車社会」であることを原因とした田舎暮らしのデメリット。

都会であれば基本的に移動は公共交通機関なので、比較的自由な時間に自由な場所でお酒を飲むことができます。

ちょっと立ち寄ったイベントで一杯だけビールを飲む、なんてことが気軽にできますし、友人や上司の急な誘いにも特に問題なく参加ができます。

一方、田舎だと基本的に移動は車ですので、お酒を飲む機会が限られてきます。

例えば職場の上司に「帰りに一杯」と誘われたとしても、マイカー通勤をしていると、飲んだ後は車で帰れませんので、車を置いて帰えるか、タクシー代行などのサービスを使って帰らなければなりません(田舎ではこの「代行」がタクシーと同じくらい一般的です)。

また、お酒を飲む場所があまりない地域も多く、夜遅くまでやっているお店となるとかなり限定されることが多いです。

お酒好きの方で、特に外で飲むのが好きな方には少し物足りない環境かもしれません。

どこにいっても知り合いに会う

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photo/Susanne Nilsson

田舎では飲食店や娯楽施設があまりなく、休日のレジャーを過ごす場所も限られています。

そのため、どこに行っても「知り合いに会う」ということがよく起こります。

都市圏では近くに住んでいても不思議と知り合いに会わないものですが、地方の街や田舎町ではちょっと出かけると顔見知りに出会います。

平日、決まったスーパーで同じ人に会うなどは日常茶飯事。

地域のイベントなどがある時などは、その地域の人が集中して訪れるため、1日に何人もの顔見知りに出会うということが当たり前のように起こります。

特に気にしない人はいいかもしれませんが、できれば家族といる時は知り合いに会いたくない、という人にはちょっとしたストレスかもしれません。

仕事の選択肢が少ない

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photo/Abhijit Kar Gupta

田舎の宿命とも言えるのが、職業を選ぶ選択肢が少ないこと。

田舎の場合は都会に比べ、絶対的な求人の数が少なく、また選べる業種の幅も限定的です。

地域によっては希望の職業を探しても、そもそも希望の業種がない、あったとしても数が少なく選択肢がほとんどないということも。

ある程度幅広い職業を許容しておかないと、自分の条件に合う仕事はなかなか見つかりません。

そもそも田舎では、農業や林業などの第一次産業が産業全体に占める割合が大きく、加えて土木業や建設業などのいわゆるブルーカラー職種が多い傾向があります。

そのため、都会で長年ホワイトカラー職種で働いてきた人にとっては、なかなか経験を活かせる仕事が見つかりにくいのが実情のようです。

憧れの田舎暮らしをスタートしてみたが、何ヶ月も仕事が見つからないということも実際にあるようです。

給与水準が低い

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photo/auntjojo

仕事の選択肢が少ないことに加えて、給与水準が都市部と比べて低いということも田舎で住むことのデメリット。

業種によっては平均年収で100万円以上も開きが出ることもあり、地域間年収格差は依然として存在すると言われています。

また、田舎はアルバイトの時給も低く、同じコンビニエンスストアのアルバイトでも100円以上差がつくこともあります。

「田舎暮らしの年収300万円は都会暮らしの年収500万円に匹敵する」などと言われることもありますが、次項でお話しするように田舎暮らしでもそれならではの生活費がかかりますので、住む環境は変わってもやはり一定の給与水準は維持したいものです。

意外と生活費がかかる

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photo/FuFu Wolf

都会暮らしに比べ田舎暮らしは生活費が安いイメージがあります。

確かに都会は家賃相場が高く、住む場所によっては住居費が月の支出の大部分を占める場合もありますが、一方で田舎暮らしには田舎ならではの費用もあります。

例えば、先ほど述べた車の維持費。

都会暮らしでは車を持たなくても生活できることが多く、免許すら取得しない人が多いですが、田舎では必需品。

日々のガソリンに加え、車検代、任意保険料、タイヤ交換など、まとまったお金が定期的にかかります。

また、寒冷地方では冬場の灯油などの暖房費用も馬鹿になりません。灯油ストーブなどがないと部屋が暖まりにくいため、冬になると暖房費用がそれなりに大きな出費になります。

それに加えて、雪の降る地方では除雪器具を購入したり、車のスノータイヤを準備したり、融雪剤を使ったりと、様々な費用がかかってきます。

都会に比べて住居費は安いですが、このような田舎ならではの生活費もあり、想像していた以上の支出となることがあります。

文化・芸能に接する機会が少ない

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photo/fusion-of-horizons

例えば有名人のイベントやコンサート、著名な芸術家の個展や文化的ミュージアムなどは都市部に集中しており、地方では文化・芸能に触れたり体験できる機会が限られています。

スポーツ観戦なども都市部のようにスタジアムや競技場はなく、足を運べる場所がほとんどないのが実情です。

また、自分や子供の習い事などもできる場所、選べる選択肢が限定的。

音楽教室や語学教室、スポーツやクラブチームなどは地域によっては存在せず、スポーツジムでさえない環境が多いです。

映画館も地方では県庁所在地などの中心都市などに行かなければないため、映画好きの方には物足りないかもしれません。

文化的な娯楽に乏しいところも、田舎暮らしのデメリットとなります。

おわりに

このように田舎暮らしには田舎ならではのデメリットがあり、憧れを抱く人にとっては理想と現実となるかもしれません。

それを知った上でも、自然に囲まれた環境で、物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを求めていきたい人にとっては、田舎暮らしは魅力的でしょう。

この記事が「いずれは田舎で暮らしたいという人」にとって、現実の暮らしを考える上で参考になるものであれば幸いです。